今年最後の今回の刀剣会で拝見した刀は
★鑑定刀
一号刀 備前 長船 ?
二号刀 備前 長船 春光
★鑑賞刀
備前 長船 則光
江戸 固山宗次
でした。
始めに鑑賞刀の固山宗次の解説があり、これは岩倉具視が側近で明治維新功労者の田辺子爵に、その労をねぎらって下賜した短刀との事。「東京住固山宗次」と銘が切ってあり、とても珍しかったです。明治3年作でした。
鑑定刀の一号刀は中心(なかご)の「備前長船」の銘のすぐ下で見事に切断されていて、個名が全く分からない状態になっていました。棒移りが立っていて応永備前だけど、表裏の刃文がバラバラで全く違うので、盛光・康光ではなく、もっと格下の刀工の作との事。そして皆で棒移りを確認しました。細長くてハッキリくっきりとした棒移りが立ってました。今まで見た移りの中で一番分かりやすかったです。
二号刀の春光は一枚帽子でした。切先全体に焼きが入っていて、焼き巾が広かったです。「焼き巾が広いという事は、刃切れが起こりやすい。だからこれは見事な焼き入れ技術だ」との事。末備前の刀工、凄いですね。恐るべし!
注) まだ続きます。少々お待ちください。
今回の刀剣会で拝見した刀は、
★鑑定刀
一号刀 薩摩 波平 一平安代
二号刀 備前 長船 盛光
三号刀 美濃 関 兼基
★鑑賞刀
豊後 高田 平 定盛
肥後 宣利
近江 後に室蘭 堀井胤明
でした。
まず冒頭に堀井胤明の刀の解説があり、「年紀の大正が天正にされている」との事。見ると元の銘とは全く違う幅・深さ・太さで「大」の上にチョン!と切ってありました。たしかに天正と読めないことはない。でも、引っくり返して差し表を見ると中心(なかご)に「於東京」ってデカデカと切ってある。。。面白いですね!何でこんなすぐにバレる偽造をしたんでしょうか?(笑)。室町時代に「東京」があるわけないじゃないですか(笑)。一体どういう意図でこんなすぐバレる改ざんを施したのかを知りたい!(笑)。因みに中原先生曰く「改ざんの『ざん』は本来、鏨(たがね)の字を用いていた」との事です。
鑑定刀の一号刀の中心には「主馬首 一平安代」と銘を切ってありましたが「主馬首」が読めませんでした。しゅばしゅ?あるじのうまのくび?全く読めない。。。何て読むんですか?これ?。。正解は「しゅめのかみ」と読み、官位の一つとの事。そして、その上には一つ葉の葵の紋が切ってありました。一平安代は徳川八代将軍吉宗公の御前で刀を打ったそうです。緊張したでしょうね。
鑑定刀の二号刀・応永備前の盛光と、三号刀・末関の兼基には「棒移り」があり、室内を少し薄暗くして、皆で順番に棒移りを探しました。
中心が開けられた三号刀を手に取って観ると、銘の「兼基」の「兼」が「魚」みたいな字で、またもや全然読めない(笑)。昔の字は難しいですね。刃文は三本杉でした。
二号刀の盛光は、室町時代最初期に作られた刀で、第10代熊本藩主の細川斉護公の御差料との事。
鑑賞刀の平高田の定盛と熊本ゆかりの延寿宣利もジックリと拝見させて頂きました。特に、定盛は平高田だから移りがあるはずなのに、目を皿のようにして見ても、移りが無い。疑問に思って後で中原先生に質問したら「鎬筋の近くにあるけど研ぎが悪いからほとんど見えない」との事でした。
ところで、ほぼ毎回「○○さん、移りが分かった?見えた?」と中原先生が仰るのは、移りの有無が刀の製作年代を特定する上でとても重要な要素だからです。
現存する古刀の8割強~9割弱を占める備前刀。
ですから、もし移りがあれば、その刀は室町時代中期頃までに作られた備前刀である「可能性」が高くなります。
先生は「鑑定とは確率です」と仰います。だからこそ「移り」について頻繁にお話されます。
又、こうも仰います。「移りがあるからといって、その刀は良い刀だなんて私は一言も言ってないよ」。
つまり、移りは室町時代中期頃までに作られた備前刀にある「特徴」で、刀の良し悪しとは別である、という事ですね。
因みに「室町時代中期頃まで」とは、年号で言うと「永正まで」だそうです。
今回も遠く宮崎県・鹿児島県からお越し下さった方々、県内の皆様方、そして初参加の方、異常な暑さにも負けず時間を作ってお集まり下さって本当にありがとうございましたm(_ _)m
そしてそして、護国神社のエアコン様!あなたが活躍してくれなければ、蒸し風呂状態の地獄の刀剣会になるところでしたよ(笑)!ホントにマジでありがとう!m(_ _)m
さて、次回はいよいよ今年最後の刀剣会です。ラストです。よって納会となります。
又、諸事情により開催場所がいつもと違うので、お間違えないよう時間に十分余裕を持って、川尻のくまもと工芸会館にお越し下さい。
駐車場は、くまもと工芸会館様のHPをよくご覧下さい。第2駐車場の方が広くて停めやすそうな感じです。
それから、くまもと工芸会館様の前の道沿いには、たくさんの和菓子店が軒を連ねています。少し早めにお越しになって沿道を散策されてみてはいかがでしょうか?
なお、いつもの会場と違う為、予定していた懇親会は中止となりました。
皆さん、今回も長時間大変お疲れ様でした!
では、11月に「くまもと工芸会館の3階会議室」でお会いしましょう!
今回の刀剣会で拝見した刀は
★鑑定刀
壱号刀 肥前 河内大掾藤原正廣(初代正廣)と武蔵大掾藤原正永(二代正廣)の合作
弐号刀 備前 長船 康光
参号刀 備前 長船 康光
★鑑賞刀
筑前 左 安吉
備前 清光
京 越後守国儔(くにとも)
でした。
壱号刀は脇肥前なので「柾目になってるはずだ!」と、目を凝らして地肌を見ても全く柾目が見えない。おかしい。。。何かおかしい。。。後で中原先生に尋ねたら「鎬地が柾目になっている」との事。そりゃ、いくら地肌を見ても見えません!(笑)。間違えて覚えてた(笑)。地肌じゃなくて鎬地が柾目、でした。
弐号刀と参号刀の康光には共に「移り」と「煙込み」がありました。弐号刀のは分かりやすかったけど、参号刀の方は分かりにくい嫌なタイプの移りでした。刀を微妙に動かして角度を微妙に変えて見ないと見落としてしまう位の極薄く淡い移りだったので、発見するまでちょっと時間が掛かってしまいました。
そして、今回の白眉は、中心(なかご)を触って刀の優劣を見極める具体的な方法!これは本当に大変勉強になりました。今日、来て良かった(笑)。
とても濃密な約3時間にわたっての刀剣会でした。地元の熊本、又、鹿児島、そして、遠く広島から再びお越しになられたKさん、皆々様ありがとうございました。室内が白熱球と皆の熱気で少し暑かったですね(笑)。次回7月の時は少しエアコンを点けましょう(笑)。長時間大変お疲れ様でした!
今回の刀剣会で拝見した刀は
★鑑定刀
壱号刀 備前 長船 是光
弐号刀 備前 長船 与三左衛門尉祐定
参号刀 平安城 石道右近正俊
★鑑賞刀
筑後 鬼塚吉國
土佐 上野守吉國
肥前 吉包
でした。
壱号刀の双刃の短刀は、室町時代中期の作との事。長さは5寸ちょっとで「室町中期までの短刀は6寸より短いモノが多い」と中原先生が仰ってましたが、本当に短かったです。ペーパーナイフみたいな可愛い短刀でした。
弐号刀の祐定は、何とも言えない心地良い感じの「のたれ」でございました。さすが与三左衛門尉祐定!さすが名刀!これ、おいくら万円なんでしょうね?絶対買えないけど(笑)。物打ち辺りの刃中に匂崩(においくずれ)がありました。末備前の証ですね。
参号刀は「いしどう」だけど、よくある石堂では無くて「石道」。初めて拝見しました。銘に平安城とあるけど実は近江で、又、移りがある、との事で、照明を少し落として皆で順番に見ました。裸電球の光をうまい具合に地肌に当ててよーく見ると、鎬筋にピタッと密着した形で巾約8㎜位の移りがありました。その移りの刃先側のラインは、上から下まで互の目っぽく乱れてました。つまり乱れ移りです。久し振りに乱れ移りを見ました。移りってホント見にくい(笑)。見落しやすいですね。
鑑賞刀の土佐の上野守吉國を拝見した時、鍔元に焼き出しがあったので「何で土佐なのに焼き出しがあるんだろう?」と思ったら、三品一派の大坂の大和守吉道の門人との事。あ、そういうことね!と合点がいきました。
肥前の吉包は八代忠吉の門人で、忠吉の代作をしていたそうで、銘は吉包だけどモロに八代忠吉そのまんまの作風との事でした。
今回は広島県から刀歴が長い方がお越し下さいました。本当にありがとうございました。感謝申し上げます。
他にも熊本はもちろんの事、長崎・宮崎からもご参加頂きました。皆様、本当にありがとうございます。お疲れ様でした。
それから、丁度この日、同じ護国神社内で講習会をされていた武術研究家の甲野善紀先生が、会の冒頭にサプライズでお越し下さいました。突然の御来場だったので少々ビックリしました(笑)。ありがとうございました。
次回の刀剣会も皆で刀と歴史を楽しみながら、様々な事を学びましょう!
今年初の刀剣会で拝見した刀は、
★鑑定刀
壱号刀 美濃 末関 兼定
弐号刀 筑前 長門 左 安吉
参号刀 備前 長船 清光
★鑑賞刀
末相州 康春
大坂 中河内国助(二代河内守国助)
近江 堀井胤吉
でした。
鑑定刀の参号刀は俗に「よだれ清光」と呼ばれる末備前の刀で、刃中に匂い崩れがあり、直刃の刃文から「よだれ」みたいな足が上から下まで出ていて、まるで血に飢えた妖刀の如く「よだれ」をダラダラと垂らしている様に見えました。
弐号刀の左安吉は、九寸ちょっとの南北時代の脇差し(鎧通し)で、なんと今から約670年前のモノとの事!約670年前って、、、2024-670=1354年頃!古い!普通は滅多に手に取って観れない!今日、刀剣会に来て良かった(笑)。備前でも末関でも平高田でもないけど、巾8mm位の「移り」がありました。
壱号刀は末関の兼定で「巾7mmぐらいの極薄~くて淡~い移り」がありました。視認しづらくて見落としやすい最も嫌なタイプの移りです。中原先生が「匂口がギリギリと締まっている」と仰ってたので、よくよく観察させて頂きました。「匂口がギリギリと締まる」とは具体的にどういう状態の事か?以下は文字通り「私見」ですが、巾が糸直刃ほどではないけれど、かなり狭~くて、白色が濃く見えて、その匂口(縁・境目)はグラデーションが全く無くて、コントラストがハッキリクッキリとしていて、スパッ!とピシッ!と地肌と分かれていて曖昧さが無い。比較すると備前物の方が僅かにもうちょっとフワッと淡くなってグラデーションがある様に感じました(あくまでも私見です)。
刀の用語・表現は、業界用語・専門用語なので、普段の日常生活では使用しない言葉の類いです。ですから、もし理解出来ない言葉・意味不明な表現があったら「どういう状態の事をそう表現しているのか?そう言うのか?」を、現物をよく観て「あぁ、こういう風になっているのを○○って言うんだなー」と、目視で確認して覚えるという方法で一つひとつ学んでいくしかない、という事を再認識しました。
前回、前々回に続き、今回も初参加の方がお越し下さったので、とても嬉しかったです。ありがとうございますm(_ _)m感謝致しますm(_ _)m
今年も皆で様々な刀を笑いながら楽しく鑑賞しましょう!
今回は、
★鑑定刀
壱号刀 美濃 関 兼光
弐号刀 美濃 関 外藤(とふじ)
参号刀 備前 長船 康光
★鑑賞刀
豊後 平 鑑盛(あきもり)
薩摩 清左(きよすけ)
大坂 初代河内守国助
江戸 固山宗次
を、皆で鑑賞しました。
さらに、参加者の方が持参して下さった肥後鞘とその中身の新刀と、谷川博充の短刀も、その方のご厚意に甘えて拝見させて頂きました。
数年振りに肥後鞘を手に取って観る事が出来て嬉しかったです。ありがとうございました!m(_ _)m
この日は今年最後の刀剣会でした。参加者数は12名になりました。増えて良かったです。ホントに。
「参加者の皆様のおかげで当会は存続出来ている」と言っても決して過言ではない、と思います。
この1年間、参加者の皆様と関係者の方々、本当に大変お疲れ様でした。
来年も様々な刀を観て触って、皆で笑いながら楽しく色んな事を学びましょう!
今回拝見した刀は
★鑑定刀
壱号刀 肥前 忠吉(五字忠吉)
弐号刀 備前 長船 祐光
参号刀 豊後 高田住藤原行長
★鑑賞刀
因幡 浜部寿実
薩摩 奥 元平
京 堀川國儔(くにとも)
でした。
鑑定刀の弐号刀の祐光の移りが判りにくかったです。
先生に「移りがある」と言われてからよく見てみると確かに移りがあるのが判るくらい薄く淡い移りでした。
ものすごく視認し難い移りがある、という事が分かり今回もまた大変勉強になりました。
本当に薄くて淡い移りは見落としやすいですね。
お隣の藤崎台球場で行われている高校野球の試合の歓声が聞こえ、本格的な夏の到来を感じさせる強い日射しと蒸し暑さの中、5名の方がお越しになられました。
色々とお話をお聞きすると全く予想外の嬉しい繋がりがあり、とても不思議な感覚を覚えました。改めてご来場して下さった皆様方に感謝申し上げます。暑い中、足を運んで下さり本当にありがとうございました。
今回、参加者みんなで拝見した刀は、
●筑後 鬼塚吉國 江戸時代最初期
●備前 祐光 室町時代初期 一尺四寸 写りあり
●肥前 近江大掾忠廣 江戸時代最初期 足長丁字 40~50本に一本くらいの稀少品
●薩摩 波平 清左 室町時代後期 大平造り 乱れ刃
●備前 祐定 二尺二寸
でした。今回、特に印象深かったのは、肥前刀の近江大掾忠廣です。本当に見事な刃文!!!素晴らしい!!!綺麗な足長丁子を焼いていました。スゴいよ!昔の刀鍛冶は!本当に凄かったです。みなさん長時間お疲れ様でした。
今回、拝見した日本刀は
京 三品一派 初代伊賀守金道
備前 横山祐永
堀井秀明の短刀(大正年紀)
肥前刀
備前長船 勝光宗光法光の3人合作(珍品!)
でした。
備前刀の棒移(ぼううつり)、特に肥前刀の帯状の匂口(においくち)は大変勉強になりました。
次の刀剣会が待ち遠しいです。皆様、お疲れ様でした!
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